飲食店やアパレルなどの店舗を経営するために物件探しをしていて、さまざまなタイプがあると知った方は多いでしょう。
物件タイプは、費用や使い勝手などで違いがあるため、向き・不向きを判断するためにも正確に理解しなければなりません。
本記事では、居抜きとスケルトンの違いをお伝えしたうえで、費用とビジネスに向いているタイプを解説します。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市・南大阪周辺の事業用賃貸物件一覧へ進む
居抜きとスケルトンの違い
居抜きとスケルトンの決定的な違いは、前の借主が使っていたテナントや設備が物件に残っているかどうかです。
居抜き物件とは、前の借主が使っていた内装・キッチンや水回りの設備・什器(じゅうき)類がすべて残っている状態で借りられます。
ここで言う什器類とは、棚・冷蔵庫・テーブル・陳列棚などです。
物件によってどこまで残っているかはさまざまですが、暖房設備・空調設備・給排水設備・証明などのほかに、皿・調理道具・フォークまで残っている可能性もあります。
居抜き物件のメリットは、物件選びがうまくいけば開業に必要な初期費用と準備期間を最小限に抑えられる点です。
これからイタリアンピザのお店を開業しようと考えている場合、もともとイタリアンレストランでピザ窯が残っている物件を探せば、ゼロから設備を用意する必要がありません。
ラーメン屋・寿司屋・洋服屋・美容室など開業予定のビジネスジャンルによって用意するべき設備や什器類は異なるため、初期費用を安く抑えるなら居抜き物件に絞るのもひとつの選択です。
設備によっては工事期間も考慮しなければならないため、スピーディーに開業準備を薦めたいのであれば、すべての設備が揃っている物件を選んでください。
居抜き物件のデメリットは、デザインの自由度が低い点と修繕が必要な可能性がある点です。
既存の設備や内装を大幅に変えられないため、うまく活用できれば問題ないものの、新しく始めるビジネスのイメージにそぐわないとデザインの変更費用が高くつきます。
デザインを変更しないのであれば、前の店舗の運営期間や認知度にもよるものの、前の店舗のイメージが引き継がれてしまう可能性も考えられます。
とくに注意するべき点として、前の店舗のイメージや評判が悪かったのであれば、その印象が引き継がれかねないため注意が必要です。
また、経年劣化などで設備などに不具合が目立つとなれば、数年後に高額な修繕費が発生する可能性も視野に入れておく必要があります。
居抜き物件を選べば、必ずしも費用を安く抑えられるとは限りません。
スケルトン物件のメリットは、何よりも自由度の高い点です。
何もないところから自由に設備や内装のデザインをおこなえるため、こだわりがあればすべてゼロから空間作りができます。
スケルトン物件のデメリットは、工事費と完成までの期間が必要である点です。
ゼロから設備をそろえるのであれば、電気・ガスをはじめとするビジネスで必要な設備をすべて購入するには初期費用が高くつく可能性が高いです。
工事期間は時期によって異なるものの、最低でも打ち合わせに1か月間と工事に2〜3か月ほどかかり、繁忙期であれば半年ほどかかる可能性もあります。
▼この記事も読まれています
テナント料には変動や歩合制がある!相場と家賃以外にかかる費用もご説明
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市・南大阪周辺の事業用賃貸物件一覧へ進む
居抜きとスケルトンの費用
店舗を始めるときに発生する費用相場は、ビジネスの種類によって異なりますが、基本的には坪単価が大きく影響します。
坪単価とは、増築・リフォーム・リノベーションなどの工事をおこなうときに1坪に対して発生する費用です。
「建物の本体価格÷延床面積」の計算式で算出しますが、手数料や諸費用は含まれていない点に注意が必要です。
一般的には、居抜き物件の場合は平均15万〜30万円、スケルトン物件の場合は平均30万〜50万円といわれています。
ただし、前者の数字は既存の内装や設備をそのまま利用できる状態であると想定した金額であり、内装工事が発生するのであれば費用は上乗せされます。
また、後者の数字は基本的に何もない状態の物件に対してゼロから設備や内装をおこなうため、自由な空間づくりが実現できる代わりに工事費が高くなりがちです。
すでにお伝えしているとおり、物件の種類のほかにビジネスの種類によっても相場は変動します。
カフェの場合は平均15万〜25万円・居酒屋の場合は平均25万〜40万円・和食の場合は35万〜50万円・焼肉の場合は50万円以上と推定されます。
店内を高級感あふれる雰囲気にデザインしたり、各テーブルに鉄板などを取り付けたりする工事が必要になると、必然的に価格も高騰しやすいです。
内装費をできるだけ抑えようとしても、ついつい高騰してしまう原因として、素材・工事規模・内装工事業者の選択ミスが挙げられます。
まず、壁や床などに使用する素材におしゃれさや高級感を追求するのであれば、材料費が膨らんで工事費に影響します。
清潔感を保つためにも耐久性や汚れにくさは重視するべきですが、予算と照らし合わせながら材料費が高くなりすぎないような工夫が必要です。
続いて、店内の広さとは関係なく工事の規模が大きくなるほど費用はかさみます。
飲食店をやるのであれば厨房の広さや設備の種類によって工事規模が拡大されやすく、すべてを揃えるだけで高額になりやすいです。
業務用設備は家庭用設備と比べて高額になるからこそ、何が必要になるかを入念に確認したうえで設備選びが必要です。
最後に、各業者によって工事のやり方や見積もり金額は異なります。
利益を多く出すために工事期間を長くしたり派遣する人数を多くしたりして、見積もり金額を高くする業者もあるため、いくつか比較して相場を確認するのが賢明です。
▼この記事も読まれています
ビルイン型店舗とは?特徴とあわせてメリット・デメリットについて解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市・南大阪周辺の事業用賃貸物件一覧へ進む
居抜きとスケルトンに向いているタイプ
居抜きは、初期費用を安く抑えたい・新規開業で経験を積みたい・短期間で開業したい方に向いています。
開業するとなると高額な初期費用が必要と認識する方も多いですが、実際には物件選びがうまくいけば最小限の費用に抑えられます。
店舗に必要な設備は何かをリストアップしたうえで、すべての条件を満たしている物件を見つけられれば、設備費がかからずに済むからです。
また、工事をするとなれば必ず一定の工事期間が発生するため、できるだけ早く形にしてビジネスを始めたい人にも居抜き物件がおすすめです。
高額な工事費をかけて設備や内装を揃えてしまうと、もしも事業に失敗して撤退するとなったとき、大きな負債になります。
はじめて挑戦する事業であれば、失敗による撤退の可能性も視野に入れたうえで、工事費を抑える選択も重要です。
スケルトンは、費用や手間を惜しまずに理想を追求したい・2号店や3号店として出店したい方に向いています。
一般的には「居抜き物件の方が工事費を安く抑えられる」と認識されがちですが、設備が劣化していたり後から物件にトラブルがあると分かったりするとコストは高くなります。
そのため十分な知識がない状態で居抜き物件を選んでしまうと、設備の買い直しだけではなく、既存設備の解体・処分の費用もかかるリスクがある点を理解しておきましょう。
その点、スケルトン物件であればゼロから設備や内装を揃える必要があるものの、後から処分など追加で諸費用がかかる可能性は低いです。
すでに1号店で実績を上げており、事業拡大としてオリジナリティあふれる2号店や3号店を考えているのであれば、理想的な空間作りのためにゼロからアイデアを出すのも良いでしょう。
▼この記事も読まれています
ロードサイド店舗の特徴とは?店舗開発するメリットやリスクも解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市・南大阪周辺の事業用賃貸物件一覧へ進む
まとめ
前の借主が使っていた設備や内装がそのままの状態で借りられる居抜き物件と、建物そのものしかない状態で借りられるスケルトン物件は、それぞれ一長一短です。
工事費安く抑えて短期間で開業したい場合は居抜き物件、ゼロから理想的な空間づくりをしたいのであればスケルトン物件がおすすめです。
資金調達の状態やビジネス経験などを踏まえて、最小限のリスクで改行をできる物件選びをしましょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
堺市・南大阪周辺の事業用賃貸物件一覧へ進む